センター長挨拶
動物予防医療センター長 獣医師 中村 美奈
普段、最愛の動物と過ごしている時、ふとした瞬間に「この子は本当に健康なのだろうか?」と疑問に思った事はありませんか?
様々なご縁があって、それぞれの家庭に迎え入れられ、一緒に過ごしているうちに、あっという間に私達の実年齢を超え、年老いていきます。
動物達は、本能として、多少具合が悪くても隠してしまうことが多く、また言葉を話すことが出来ないので、私達人間がその変化に気付くのに時間がかかったり、更に、この症状が続くのかどうか様子を見ているうちに、もっと悪化してしまうなどという事が、非常によく起こります。
「もっと早く連れて行けば良かった!」、あるいは「何か見過ごしていないだろうか?」という不安に対して、決まった日を設けて定期検診を行い、更に継続して年1回ないしは2回ごとに行う事で、早期発見・治療につなげる事ができます。つまりは、皆さんが普段受けられている人間ドックと同じように、ぜひ動物達にもドックを定期的に受けさせて下さい。
動物の予防医学には、食事、ワクチン接種、毎日のライフスタイルなど様々な要素があり、全てに役割があると考えています。現在、様々な情報が簡単に入手できる半面、かえってどれが正しいのか混乱の原因になっています。予防医療センターの役割として、それらについて、正しい知識を伝え、それが確実に実践できるように働きかけていくことが、病気の予防につながる重要な部分であると考えます。
動物達が、より健康的で、質の良い心豊かな生活を送る事ができるよう、心から願っております。